1歳未満の乳児にも解禁 タミフルはいつ安全になったのか

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「更に乳児に対して、タミフルは医師がインフルエンザと診断した後に、両親と相談の上で慎重に投与されることになります」(堤教授)

 ただ、医学知識の乏しい若いお父さん、お母さんのなかにはわが子が少しでも熱が出るとタミフルの投与を懇願するケースも考えられる。小児科医は別の対処法も知っているだろうが、一般内科医だとタミフルだけに頼る可能性も高い。そうなると、不必要にタミフルが使われて耐性ができ、いざというときに効かなくなることも考えられる。

「その意味では今後とも保護者のインフルエンザについての知識・情報の集積と啓発が必要になるでしょうね」(堤教授)

■10代への原則禁忌は維持

 乳児へのタミフル解禁で気になるのは今年9月に示された最高裁判決の影響だ。タミフル服用後に転落死した中学生2人の遺族が独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)を相手に遺族一時金の不支給決定の取り消しを求めた訴訟で、最高裁は「異常行動はインフルエンザ自体によっても生じることがあり、タミフルとの因果関係を認めることはできない」として、上告を棄却した。

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