専門医が指摘 悪玉コレステロールの本当に危険な基準値
⑦「家族性高コレステロール血症」を見逃してはいけない
これは、遺伝子異常で血液中のLDLが細胞内に取り込まれず、血液中にたまる病気だ。小児の頃からLDLが高めで、心筋梗塞のリスクが、“家族性”でない人と比較すると13倍も高い。
「薬物治療がすぐ必要。最近小児でも薬物治療が許可されました」
小児の健康診断では一般的に、コレステロール値が項目に入っておらず、見逃されている人もいる。家系に心筋梗塞や狭心症の人がいるようなら、検査した方がいい。
⑧中性脂肪だけが高ければ、nonHDLコレステロールがカギに
LDLは基準値内だが、中性脂肪だけが高い場合、総コレステロールからHDL(善玉)コレステロールを引いた「nonHDLコレステロール」をチェック。130以下なら、中性脂肪が多少高くても心筋梗塞の心配はない。それより高ければ、中性脂肪を下げるために食生活の改善を。
⑨薬はやめられない
高LDLは、食事より体質が大きく関わっている。食生活の改善で数値が下がる人もいるが、そうでない人もいる。
「薬で数値は下がりますが、体質は変わりません。飲み始めたら、やめられません」
昨今、コレステロールに限らず薬全体への賛否両論が渦巻くが、薬によって高LDLから心筋梗塞へ移行する人は減っていることは確か。どちらの道を選ぶかは自分次第かもしれない。