変異した新型も登場 ノロウイルス性食中毒は夏だって怖い
「ノロウイルス性食中毒は冬場の低温・乾燥により多発しますが、高温・多湿の夏だからといってウイルスがゼロになるわけではありません。とくに病気の人や高齢者、幼児など抵抗力の弱い人は、夏場でもノロウイルスにかかりやすいことは知っておくべきです」
実際、15年の6月には、宮城県で流しそうめんの地域イベントで提供された食事からノロウイルスが原因の食中毒が発生した。神奈川県では、地引き網体験とバーベキュー大会に参加した男女55人が腹痛や下痢症状を訴え、うち19人からノロウイルスが見つかっている。
ノロウイルスの感染ルートは3つある。①ノロウイルスに汚染されたカキや貝類を十分に加熱せずに食べた場合②ノロウイルスに感染した人が、十分に手を洗わずに調理した食品を食べた場合③ノロウイルスを含む糞便や吐瀉物を処理した場合――だ。
その中でノロウイルス性食中毒にあたるのが①と②のケース。ノロウイルス性食中毒というと、生ガキなどの魚介類、寿司や刺し身などの加工食品をイメージしがちだが事実は違う。それは全体の18.4%に過ぎず、65.7%は飲食店やホテルなどが提供する料理やお弁当、和菓子やケーキ、クレープといった複合調理食品だ。