著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胆のう・胆管がん 男性は若くして女性は高齢で発症する

公開日: 更新日:

 国立がん研究センター・がん情報サービスによれば、胆のう・胆管がんの2016年の新規患者数は約2万6500人と予想されており、男女合わせた全がん中、第11位(男性12位、女性11位)となっています。しかし、死亡数予測では男女計で第6位(男性7位、女性7位)です。つまり、胆のう・胆管がんにかかる人は比較的少ないものの、かかってしまうと亡くなるリスクがかなり高いことがわかります。

 表は今世紀に入ってからの新規患者数・年齢調整罹患率と死亡数・年齢調整死亡率をまとめたものです。このがんの特徴のひとつは、患者数や死亡数の男女差がほとんどないことです。多くのがんは男性に偏っていますが、胆のう・胆管がんは女性でもかかりやすいがんと言えます。ただ年齢調整罹患率・死亡率ともに女性がかなり低めです。男性は比較的若くして発症・死亡し、女性は高齢になってから発症・死亡することを示唆しています。

 男性の罹患率は1985年以降、ずっと9.5から10.5の間くらいにとどまっています。近年の患者増はすべて高齢化が進んだことによるものと言えるでしょう。対して女性の数字は1980年代前半までは男性とほとんど同じでしたが、その後はジワジワと下がり続けています。死亡率のほうは、男女とも世紀の変わり目前後から減少し続けています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち