老人の「食べる幸せ」を守る 家族がすべき4つのチェック
■食べやすい形態などになっているか?
「食べる力が衰えた人の食事は、細かく刻んだり、とろみをつけたりすればいいと誤って認識されている。舌の上で食物をまとめる力が落ちている人が、細かく刻んだ食物を食べるのは困難で、誤嚥しやすくなる。個別に応じた食物形態の調整が必要です」
小山氏は4つの観点から総合的に評価し、「なぜうまく食べられないのか?」「では、どうすればよいのか?」を判断して指導。8000人以上を口から食べられるようにしてきた。その中には、胃ろうなど人工的な栄養補助を勧められた人も多く含んでいる。
ただし、残念ながら口から食べることが非常に困難なケースもある。全身の機能が著しく衰え、栄養状態がかなり悪いケース、自然の老化現象として徐々に食べられなくなっているケース、胃ろうなどの年数が長く適切な食事介助をできる人が身近にいないケースなどだ。
「患者側(家族を含む)が結論を下すしかないが、医療関係者と積極的なコミュニケーションをとった上で、『食べる幸せ』を簡単に諦めないでほしい」