衣笠祥雄さんも亡くなる直前は…「かすれ声」に潜む重大病

公開日: 更新日:

「特に目立つのは声帯の衰えです。声帯の表面は粘膜上皮に覆われて1秒間に男性で100回、女性で200回程度振動します。しかし、年を取ると粘膜が硬くなり、振動が弱くなる。声帯粘膜の上皮に多数存在する線維芽細胞の機能により声帯は弾力性を維持していますが、年を取るとコラーゲンが蓄積されるなどして声帯粘膜が硬く、振動しづらくなるからです」

 中には加齢とともに声帯が痩せて声を出すときに閉じるはずの声帯が始終開きっ放しになってヒューヒューとした気の抜けた声になる人もいる。

■大動脈瘤、食道がん、咽喉頭逆流症が隠れているかも

 しかし、本当に気をつけなければならないのは病気による嗄声だ。

「病気による嗄声というと、多くの人が想像するのは風邪や咽頭炎などで声帯が腫れて声帯ポリープや声帯結節ができるケースでしょう。しかし怖いのは神経まひによる嗄声です。深刻な重大病が隠れていることが多いからです」

 通常、声を出すには左右の声帯が中央方向に近寄って気道が狭まり、呼気によって声帯を震わせなくてはならない。声帯を支配する反回神経は脳幹から枝分かれして、一度そのまま声帯の横を素通りし、胸郭内に入り、左側は大動脈弓、右側は鎖骨下動脈の部分で折れ返り、食道の両側をたどって上行。甲状腺の裏側を通っている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇