著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大橋純子さんが食道がんに 声帯は化学放射線で温存できる

公開日: 更新日:

 がんの治療は、手術と放射線、抗がん剤が3本柱です。薬剤の進歩には目を見張るものがありますが、固形がんの場合、根治を期待できるのは現状、手術と放射線。抗がん剤では、根治できません。

 歌手の大橋純子さん(67)は、早期の食道がんが見つかったと報じられました。治療をどうするか検討したところ、化学放射線治療にすることが決まったようです。

 歌手ですから、声帯を守りつつ、最善の策を考えるのが大切。その点、化学放射線療法は、メスを入れることなく治療ができて、治療成績は手術と同等。賢明な判断でしょう。

 声帯に関係するがんというと、喉頭がんがあります。4年前、落語家の林家木久扇さん(80)が声が出なくなり、「仕事はどうなるのか」と不安にさいなまれたのが、この喉頭がん。ステージ2だったそうですが、笑点でおなじみの“黄色い着物の人”は放射線治療で高座に復帰。今も元気にお茶の間を笑わせています。

■治療後は胃カメラでフォロー

 食道と声帯は、近いところにあり、食道にがんができると、声帯を一緒に切除することが少なくありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に