大橋未歩アナ振り返る 脳梗塞が起こったあの夜の一部始終
「らいじょうぶ」という言葉が耳から入ってきて、「あれ?」と思いました。自分では「大丈夫」と言っているつもりなのに、ろれつが回っていなかったのです。
2013年の1月のことです。その日は家でデスクワークをしていました。暖房をかけながら、ほとんど体を動かさずにあまり水分を取っていなかったことは後からの反省点として残っています。
■持ったはずの洗顔クリームが床に散乱
仕事を終えて寝ようとしたのが夜11時ごろ。顔を洗おうとして右手が左手に触れた瞬間、左手がマネキンのような鈍い感じがしました。でも「ちょっとしびれたのかな」と思って、いつも通り洗顔クリームを取り出したら、洗顔クリームが床に散乱してしまいました。持ったはずなのに、なぜか落ちていたのです。それを拭かなくちゃとかがんだ途端に左足もガクンとなって、気付いたら倒れていました。立ち上がりたくても左半身にまるで力が入らなくて……。
そばにいた家族は私の顔を見るなり救急車を呼びました。顔の左半分が垂れた感じで明らかに麻痺がわかったようです。救急車なんて大ごとにしてほしくなかったのですが、「大丈夫」は「らいじょうぶ」になり、「保険証」を「ほけんひょう」と言っている自分がいました。