放っておくと命に関わることも…鼠径ヘルニア最新手術事情
■女性には使えない男性独自の術式
鼠径ヘルニアにかかりやすいのは主に40代以上の男性。お腹に力のかかる仕事や立ち仕事をしている人、例えば、宅配便や引っ越しの仕事をしている人や、美容師、理容師らに多い。BMIにして25以上、身長170センチなら72キロ以上の肥満の人も内臓脂肪がお腹に圧力をかけるために要注意だ。また、便秘気味の人はいきんで便をする習慣があり、お腹に圧力がかかるので鼠径ヘルニアが目立つそうだ。女性は比較的少ないという。
大人の鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、薬もない。手術による治療が唯一の根治法だ。ヘルニアバンド(脱腸帯)を使う人もいるが、単に脱腸を外から押さえ込むことで、一時的に鼠径ヘルニアの症状を軽くしているだけのその場しのぎであり、治すことはできない。むしろ、ヘルニアバンドの圧迫により、皮膚障害や内臓の損傷を引き起こす可能性がある。
同院が採用した「オンステップ法」はポルトガルの医師が考案した術式で、日本では2016年末から導入が進んでいるという。その中心的な存在が柳院長で、2年間で345例を経験したそうだ。