首・肩<上>肩こりには肩甲骨はがし体操が効く
厚労省が行う国民生活基礎調査(3年ごと)の自覚症状の有訴者率で、毎回、女性の1位、男性の2位にランキングされるのが「肩こり」だ。それだけ治りにくく、間違った対策をしている人が多いといえるだろう。
そもそも肩こりは、長時間同じ姿勢で動かないことや運動不足などに、精神的ストレスが加わることが原因で、首を支えている筋肉の血流が悪くなって、疲労物質がたまる状態のこと。その結果、肩の痛みや張りなどの不快症状が表れる。
どこの筋肉の血流が悪くなるのか。東京医科大学病院・整形外科の遠藤健司准教授が言う。
「肩がこると、手を肩に置いて揉むと気持ちよく感じるでしょう。外から手で触れられる筋肉は、首から背中にかけて一番表層にある『僧帽筋』という筋肉です。しかし、肩こりの本当の原因は僧帽筋の下にあり、頚椎と肩甲骨をつなぐ『肩甲挙筋』や、脊椎と肩甲骨をつなぐ『菱形筋』などの深層筋の血行障害(こり)です。そのインナーマッスルが硬くなり、肩甲骨の動きが悪くなることで僧帽筋が緊張し、肩こりが起こるのです」