中国のキクガシラコウモリとコロナに感染しにくいアジア人

公開日: 更新日:

 効果的なワクチンができるまでは、このウイルスから逃げ続けなければならないとなると、絶望的になるかも知れない。しかし、私は希望があると思っている。アジア人は欧米人に比べて、このウイルスに感染しにくい傾向がある。日本をはじめアジア諸国においては、欧米のような感染爆発は起こっていない。国内の疫学データによると、緊急事態宣言後の追加自粛による効果もはっきりしない。このことは、日本は欧米のロックダウンのような強い行動制限をしなくても、私が提唱する「100分の1作戦」だけで、このウイルスから逃れることができることを示唆している。

 新型コロナウイルス関連ウイルスは、キクガシラコウモリ属のコウモリから多数見つかっている。キクガシラコウモリの分布は、アジアから欧州、アフリカにかけてと広いが、新型コロナウイルス関連ウイルスは、中国に生息するキクガシラコウモリにのみ見つかっている。国内にもキクガシラコウモリは存在し、中国のものと遺伝子的に近い。国内のキクガシラコウモリのウイルス保有状況は調べられていないが、国内のユビナガコウモリでは、新型コロナウイルスと同じベータコロナウイルス属のウイルスも見つかっている。コウモリとコロナウイルスは古くから共存関係にあり、たびたび、人に感染したと思われる。

 アジアの人々は、コウモリからベータコロナウイルスの感染の洗礼を何度も受け、生き残った末裔であるのかも知れない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変