アベノマスクは夏に最強?これからの季節にぴったりな理由
マスクを着けている人にぜひやって欲しい実験がある。マスクをしたまま鏡の前に立ち、息を吹きかける簡単な実験だ。
鏡が強く曇るのなら、呼気の抑制に効果がないマスクだということになる。
公衆衛生に詳しい岩室紳也医師が自身でマスクの素材別に実験したところ、安倍首相の発案で全国の家庭に送られたアベノマスクやポリウレタン製のマスクは、マスクなしに比べても鏡の曇りが強かったという。
「実験は洗面所の鏡に息を吹き付けて撮影しました。カメラはガラス面のみにピントが合うように85ミリF1・2のレンズを使用。その結果、マスクはポリウレタン、布(アベノマスク)はほぼ同等で、その次が不織布の順に鏡の曇りが強かったのです。アベノマスクは自宅に届いたその日に実験したので、何度も洗っていれば別の結果が出たかもしれません。なお、眼鏡をかけて実験すると、眼鏡の曇りで顔とマスクの隙間から呼気の流出が確認できます。不織布は呼気排出抑制が最も強かったものの、顔とマスクの隙間からの漏れが多く眼鏡が強く曇りました。しかも、マスクをしていると深呼吸になり、マスクなしで普通に息をしている場合と比べ、多湿の息を多く吐き出すことが確認されました」
その理由はハッキリしている。マスクを装着することで口腔、咽頭、呼吸器内の湿度を高め、呼気中のエアロゾルの発生を促進するからだ。
「つまり、マスクをすることは、ウイルス保持者ではかえってウイルスの排出を促進するリスクがあると考えられるのです。確かに感染者のマスク装着は予期せぬ咳、くしゃみによる他者への飛沫感染を予防するでしょう。しかし、それはマスクをしなくても咳エチケットの徹底により飛沫感染の回避は可能です。エアロゾル感染が成立するか否かは議論がありますが、もし成立するとしたら、マスク装着はかえってエアロゾル感染の促進因子となる可能性があります。マスクをすることで他人に飛沫を飛ばす可能性は少なくなるかもしれませんが、その人の周りの環境はエアロゾルに含まれるウイルスが落下することで汚染される可能性が高くなるということを忘れてはいけません」