<1>呼吸器だけではない 血液介在の全身感染症だった

公開日: 更新日:

 弱毒であるが故に感染力が強い、一部は血管に侵入して多臓器を感染させる、症状が治まっても体内からウイルスが消えるとは言えず何かの拍子に再活性化もあり得る――。新型コロナウイルスの特徴を表現するとこうなるのだろうか。

 当初、SARS(重症急性呼吸器症候群)の近縁である新型コロナウイルス感染症は呼吸器の病気だと考えられてきた。新型コロナウイルスが上気道で感染して少量増殖し、やがて気管支や肺へ移行し、その粘膜の細胞でのみ大量増殖すると考えられてきたからだ。ところが、SARSウイルスと同じく、その一部は血液を介して腸管や心臓、血管内皮、リンパ球など多くの臓器に感染・増殖することがわかってきた。新型コロナウイルス感染症はSARSと同じく全身感染症であり、よりその傾向が強いようだ。全身で血栓が見つかり、脳梗塞心筋梗塞が目立つのもそのためだ。しかも、このウイルスは症状が消えてもその原因ウイルスが体内から消えるというものでもない可能性がある。治癒したとされる感染者の中に2回、3回PCRが陽転する人がいるからだ。京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授が言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題