紺と黒の区別があいまいになったら… 色覚異常かもしれない
それはフランス印象派の巨匠モネの絵に見ることができる。
「モネは白内障手術を受けてから、色覚の変化が絵に如実に表れました。彼は手術前後に片目だけで描いた作品を残していますが、白内障手術後の目は色彩が鮮やかですが、手術前の目は景色に青みが失われています。濁った水晶体の中では短波長光が吸収されてしまい、赤や緑はよく見えますが、青だけは暗く、見えにくくなる。絵の色彩の変化はその影響でしょう」
■コンロの炎に近づいて衣服が燃える事故も
色覚異常は単に色を感じられなくなるだけではない。本来、感じるべき色が感じられなくなることで、体のリズムが崩れて不眠症になる場合もある。なかには、色の見えづらさから大事故につながることもあるから注意したい。
「老人に多い『着衣着火』事故を後天色覚異常に絡めて捉える人もいます。青色のコンロの炎が小さく見えたため炎に近づき過ぎて、衣服に燃え移る事故が起きやすくなったというわけです」