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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

かつては摘出も…がんになりにくい「脾臓」は残した方がいい

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 どうしてがんは脾臓に転移しにくいのか? 今もよく分かっていません。また転移しにくいだけではなく、脾臓は心臓と同様にがんの発生が少ない臓器です。脾臓も心臓も血流が多く、体の中では他の臓器よりも高温になっていて、がんは熱に弱いことが関係しているのではないかという説がありますが、これもよく分かっていないのです。

 脾臓は腹部の左側にあり、大人では通常長径10センチほどの大きさです。成人の健康な人では、あまり問題にされない臓器ですが、脾臓の働きは4つあります。

(1)濾過機能:異物や老化した赤血球の捕捉・除去を行う。

(2)免疫学的機能:脾臓の中のリンパ小節でリンパ球が作られ、体の中に入ってきた細菌やウイルスと闘う抗体を作り、免疫に関する働きをする。

(3)貯蔵機能:正常人では赤血球の貯蔵作用はほとんどないが、右心不全や門脈圧亢進症では血液が高度に貯留する。このため、脾臓は大きな脾腫となる。

(4)造血機能:胎生期5カ月までは主に造血(赤血球、白血球、血小板)の主役で、生後は主としてBリンパ球、形質細胞を産生する以外、一般的には造血機能は観察されない。

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