知っておくべき避妊薬としてのピルとコンドームとの関係
ピルが避妊薬であることはご存じでしょう。しかしピルには避妊や病気の治療のために毎日飲む低用量ピル、生理の移動に一時期のみ使う中用量ピル、緊急避妊に使うピル、など様々な種類があります。
今日はこの中でもピルの代表選手である低用量ピルが避妊効果を発揮する仕組みについて説明します。
低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類のホルモンが含まれています。
普段の生理周期では脳から卵巣に命令が出て、卵巣からホルモンが分泌され、排卵が起こります。しかしピルを飲んでホルモンが体の中に取り込まれると、脳は卵巣からホルモンが出ていると認識し、命令を出さなくなります。その結果、排卵が起きなくなり、避妊効果があらわれます。
■ピルは脳をだまして排卵をストップさせる「偽妊娠療法」
この仕組みは妊娠した動物の卵巣からは排卵が起きず、次の妊娠が成立しないことをヒントに発見されました。つまりピルを飲むことで妊娠に似せたような状況を再現するので、「偽妊娠療法」とも呼ばれます。また、ピルに含まれるホルモンにはおりものをねばっこくして子宮内への精子の侵入を防いだり、子宮内膜を薄くして卵を着床させにくくしたりする効果もあります。