著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

テキサス州の人工妊娠中絶事実上の全面禁止に全米が大論争

公開日: 更新日:

 テキサス州で人工妊娠中絶の事実上の全面禁止となる厳しい法律が成立し、全米で大論争となっています。

「ハートビート法」と呼ばれる法律は胎児の心音が探知できた場合、つまり妊娠約6週間以降の中絶が違法となるものです。多くの女性はこの時期に妊娠を自覚できないこと、さらにレイプやインセストによる妊娠も含まれることで事実上の全面禁止と考えられています。これまでで最も厳しいだけでなく、「州民なら誰でも施術した医師や施設のスタッフを訴えることができる」という、州民が州民を取り締まる仕組みにも驚きの声が上がっています。

 中絶反対派は「生まれてこられるはずの赤ちゃんを守るのは社会の役目」とこの法律を歓迎する一方で、中絶賛成派は「女性の人生や健康を傷つけるもの」と反発を強めています。

 アメリカでは、人工妊娠中絶は1973年に連邦最高裁で合法とされて以降、反対の保守派と賛成のリベラル派との間で常に政治案件とされてきましたが、21世紀に入ると徐々に形骸化していきました。ところが2016年の大統領選でトランプ氏が罰則を含む厳しい中絶禁止法を公約したことで追い風に乗り、共和党が優勢な12州で中絶や避妊を制限する法律が成立して、政治的分断の大きな要因となっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ