著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

マラリアに強い血液型 重症化リスクが1.5倍も違っていた

公開日: 更新日:

 血液型との関係性について、よく調べられているのがマラリアです。少なくとも過去数千年にわたって(ピラミッドの時代以前から)、最も多くの人間を殺してきた病気のひとつとされています。

 この病気は、マラリア原虫(プラスモディウム)と呼ばれる病原体が、人間の赤血球に感染(寄生)することで起こります。感染は蚊の媒介によって起こります。マラリアに感染している人から蚊が吸血すると、その体内にマラリア原虫が取り込まれます。そして次の人を刺すときに、唾液に混じって原虫が注入され、新たな感染が成立します。

 体内に侵入した原虫は、まず肝臓に移動して、肝細胞に寄生し、増殖して新しい原虫を続々と血液中に送り出していきます。放出された原虫たちは、身近な赤血球の中に潜り込んで栄養分を横取りし、増殖していきます。そしてある程度増えると、赤血球の膜を破って血液中に散らばり、また新たな赤血球に寄生する……というサイクルを繰り返すのです。

 重症化すると、高熱に何日間もうかされ、肺や腎臓がやられたり、脳炎を起こしたりして、致死率が一気に高まります。しかし、重症化リスクは血液型でかなり違っています。O型が他の血液型と比べて重症化しにくいことが以前から知られています。最新の論文によれば、O型の重症化リスクを1とすると、非O型のリスクは次のようになっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…