コロナ死亡数はどうやって決まるのか? 医療情報学教授が特別寄稿
またマサチューセッツ州では、昨年まで60日以内としていたが、連邦政府などの要請もあり今年から30日に短縮し、過去に遡って集計し直した。その結果、死亡数が約3700人も減ったという。
一方、イギリスでは日数のほかに、医師の死亡診断書に基づく集計も行っている。
死亡診断書には、死亡にもっとも関与した疾病(主たる死因)と、死亡に大きくは関与していないが、健康状態に影響を与えた基礎疾患など(関連死因)が記載される。昨年末時点で、イングランドとウェールズのコロナ死は約14万人だった。これは、コロナが主たる死因とされた人数である。
ところが死亡診断書の中には、死因としてコロナだけが書かれており、関連死因がないものが約1万7000件あった。それを誤解あるいは曲解して、「本当はコロナで亡くなったのは1万7000人に過ぎなかった」とSNSに投稿したグループがあり、それが瞬く間にネット上に拡散してしまった。
イギリス政府はコロナの死者数を大幅に水増ししていると、大炎上したのである。しかも同様の書き込みが、フランスやオランダにも飛び火するなど、ちょっとした騒動に発展した。