コロナ後遺症の嗅覚・味覚障害はどう治療するのか? 医大教授が4つの治療法を解説
新型コロナウイルスでは、治った後も嗅覚・味覚障害が続くケースが多数報告されている。金沢医科大学医学部耳鼻咽喉科学・三輪高喜教授に話を聞いた。
現在のオミクロン株では咽頭痛が症状の多数を占め、嗅覚・味覚障害は減っている。
「先日発表されたランセット(世界的権威のある医学誌)によると、デルタ株では嗅覚の喪失が60%程度だったのが、オミクロン株では17%と、3分の1まで減少。では、オミクロン株では嗅覚障害に悩む人が減少しているのかというと、感染力が強いオミクロン株では感染者数がかなり多いですから、嗅覚・味覚障害に悩んでいる人が減っているとは言えないでしょう」
日本での嗅覚・味覚障害の発生頻度と予後は十分に知られていなかったが、三輪教授らは昨年、厚労省の要請で、日本での嗅覚・味覚障害について調査を行った。
20~59歳の感染者に、療養中と発症後1カ月の2回、症状のアンケートと嗅覚・味覚検査を実施。アンケート回答者251人、検査実施者119人のうち、57%に嗅覚障害、40%に味覚障害が認められ、うち37%は嗅覚・味覚双方の障害があり、味覚障害だけの人はわずか4%だった。