著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

コロナを超過死亡数で知ることはできるのか? 医療情報学教授が特別寄稿

公開日: 更新日:

 ただしこの研究で用いられた計算アルゴリズムには、専門家からの批判が多い。世界を十数ブロックに分割し、限られたパラメーターを使って、それぞれのブロックごとに超過死亡を計算し、その数字を各国に割り振るというやり方である。日本は韓国やシンガポールなどと同じブロックに入っているが、日本の超過死亡数がそれらの国々の死亡データに影響されるようになっているので、さすがにこの数字をうのみにするわけにはいかない。

 それに超過死亡数の計算は、意外と難しい。各年の「想定される死亡数」には、必ず大きな幅が出てしまう。ところがランセットの論文では、日本の超過死亡数が「±5000~8000人」の幅で推計されている。普通はそんなにピタリと出ない。

■WHOの数字に国別データなし

 国立感染症研究所の計算によれば、20年1月~21年12月の国内の超過死亡数は1万2280~7万9360人で、かなり大きな幅がある。この2年間で、最大約8万人がコロナ(関連死を含む)で亡くなったことになるが、確率的にはそれよりずっと少ないはずだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ