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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

コロナを超過死亡数で知ることはできるのか? 医療情報学教授が特別寄稿

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 とくに日本では、十分な数のPCR検査ができるようになるまで相当長い時間がかかった。当時、「日本はCTの保有数が世界一で、PCRをやらなくてもCT画像からコロナ肺炎を診断できる」と言う医師が少なからずいて、PCRの検査数を増やすのにはむしろ後ろ向きだった。そのため肺炎までいかない軽症患者の多くが見逃されていた可能性が高いし、肺炎にならずにコロナ死した人も実は大勢いたかもしれない。そうした理由から、超過死亡の推計値が注目されているのである。

■欧米一流医学誌は政府発表の6倍と推計

 そんな折、今年の3月10日、世界的な医学専門誌である「ランセット」に、20~21年の2年間の、世界全体での超過死亡数の推計値が発表された。アメリカのワシントン大学(シアトル)などのチームが行った研究だ。2年間に各国政府から公表された死者数は、全世界で549万人だったが、この研究で算出された超過死亡は1820万人(1710万~1960万人)に達していたというのである。

 論文の中には、日本の超過死亡の推計値も載っている。その数字は11万1000人(10万3000~11万6000人)だった。21年末時点での日本の死者数(政府発表)は、1万8400人だったが、実はその6倍の人数が、コロナとその関連で亡くなっていたというのだ。

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