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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

暴言は生産性を低下させネガティブな気持ちは注意力の低下を招く

公開日: 更新日:

 イライラしやすかったり、ストレスを抱え込みやすかったり──。

 ふと自分の生活を見直してみると、いつのまにかネガティブな考え方やものの見方をしていることが少なくないと思います。

 脳は、主語を区別できないとよく言われます。たとえば「おまえはバカだ」と誰かに言うと、脳は「自分はバカだ」と受けとってしまうのです。もしそうだとしたら、自分でネガティブな言葉を発するだけで、他者に嫌なことを言われたときと同等のダメージを受けてしまう可能性があるということです。

 東フィンランド大学のネウボネンらが行った、622人を対象にした認知症の分析、および1146人を対象にした寿命の長さの分析(2014年)は、非常に示唆に富んでいます。

 高齢になると、他者に対して不信感を抱く傾向がある人ほど、認知症のリスクが約3倍も高いことがわかったというのです。何かと斜に構え、ネガティブな内容ばかり考えていると、心がすり減り、体に悪い影響を与えかねない。これは、考えものでしょう。当然、ネガティブな言葉を頻繁に口にしようものなら、心の健康状態を悪化させてしまう可能性が高まります。

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