著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

暴言は生産性を低下させネガティブな気持ちは注意力の低下を招く

公開日: 更新日:

 イライラしやすかったり、ストレスを抱え込みやすかったり──。

 ふと自分の生活を見直してみると、いつのまにかネガティブな考え方やものの見方をしていることが少なくないと思います。

 脳は、主語を区別できないとよく言われます。たとえば「おまえはバカだ」と誰かに言うと、脳は「自分はバカだ」と受けとってしまうのです。もしそうだとしたら、自分でネガティブな言葉を発するだけで、他者に嫌なことを言われたときと同等のダメージを受けてしまう可能性があるということです。

 東フィンランド大学のネウボネンらが行った、622人を対象にした認知症の分析、および1146人を対象にした寿命の長さの分析(2014年)は、非常に示唆に富んでいます。

 高齢になると、他者に対して不信感を抱く傾向がある人ほど、認知症のリスクが約3倍も高いことがわかったというのです。何かと斜に構え、ネガティブな内容ばかり考えていると、心がすり減り、体に悪い影響を与えかねない。これは、考えものでしょう。当然、ネガティブな言葉を頻繁に口にしようものなら、心の健康状態を悪化させてしまう可能性が高まります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発