「水分の取り過ぎ」で体調を崩すケースも 在宅高齢者は注意

公開日: 更新日:

 水分をたくさん取ったからといって、血液がサラサラになり脳や心臓の病気を防げるわけではない。それどころか体にとって大きな負担になってしまう。たとえば、心臓が弱っている人は体内の水分を腎臓で処理して尿として排泄することができずに、体内にたまってしまう。

「体内の水分がたまると血液量が増えて心臓に負担をかけます。また、増えた水分は肺でしみだしてたまるため、肺の機能も悪化させるのです。その結果、全身に送る酸素量が減って全身状態が悪くなってしまいます」

 こう説明すると、多くの高齢者は「夏場は脱水が心配で……」などと反論する。しかし、自宅での脱水の原因は水分不足ではないと山中医師は言う。

「ほとんどは水分不足ではなく、自宅にエアコンが入っていないなど室内環境の問題です。水分の過剰摂取は、血管内のナトリウムやカリウムという電解質を薄めてしまい、頭痛や吐き気が出たり、場合によっては、けいれん発作につながって意識消失してしまう場合もあります。うつ病や摂食障害などの病気がある方の多くは、精神的な不安定さから水分の過剰摂取が目立ちます。そのため前記の症状が出る『水中毒』になることが多いのです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  4. 4
    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  5. 5
    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6
    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

    大谷への理不尽な「ボール球」ストライク判定は差別ゆえ…米国人の根底に“猛烈な敵愾心”

  2. 7
    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

    巨人・岡本和真「急失速の真犯人」…19打席ぶり安打もトンネル脱出の気配いまだ見えず

  3. 8
    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

    新関脇・大の里の「大関昇進の壁」を親方衆が懸念…看過できない“練習態度”の評判

  4. 9
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  5. 10
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し