「漢方薬」はいま西洋医学の現場でもこれだけ使われている 医師の9割が処方

公開日: 更新日:

 漢方薬というと、たしかな効果がないのではといったイメージを抱く人も多い。しかし近年、漢方薬を処方する医師が増加している。漢方薬と西洋医学の最新事情について、千葉大学墨田漢方研究所の勝野達郎氏に詳しく聞いた。

  ◇   ◇   ◇

「現在、医師の約9割が日常的に漢方薬を処方していて、西洋医学の現場においても漢方薬の有効性の認識が広まりつつあります」

 2011年に日本漢方生薬製剤協会が医師を対象に行った漢方薬処方実態調査によると、処方する理由に「西洋薬で効果がなかった症例に漢方薬が有効だった」と答えた医師が最も多かった。さまざまな学会でも漢方薬の治療効果が発表される機会が増え、西洋医学の現場でも漢方薬が取り入れられているという。

「アトピー性皮膚炎の西洋医学的治療は進歩しつつありますが、漢方薬の併用が有益な場合があります。第一薬科大学の論文では、胃腸の働きが衰えて疲れやすいアトピーの患者さんには胃腸の働きを整え免疫力を高める『補中益気湯』が有効だと報告されています。適切な漢方薬の併用を2~3カ月継続すると体質が改善し、肌の炎症が収まってくるケースも少なくありません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です