「漢方薬」はいま西洋医学の現場でもこれだけ使われている 医師の9割が処方
「中国や台湾の研究によると、子宮頚がんの患者さんの10年生存率は、抗がん剤治療だけでは4割だったのに対し、『白花蛇舌草』の服用を併用した患者さんは7割と、生薬の併用は生存率を上昇させていました。ほかにも『白花蛇舌草』や『半枝蓮』の併用で、膵臓がん、上咽頭がんの患者さんの生存率も上がったと報告されています。当院でも、希望される患者さんにはこれらの生薬を処方していますが、さらに科学的な検証が必要だと考えています」
漢方薬は、科学的根拠に基づいた医療が基本となる現代医学と違って、長年の使用経験を根拠に承認されてきた。しかし近年は漢方薬も臨床試験が進められ、厚労省から認可を受けた医療用漢方製剤148処方のうち、48処方が治療効果を評価するランダム化比較試験(RCT)で有効性が確認されている。
その代表的な漢方に「大建中湯」がある。消化器がん手術での腸閉塞の発生率を下げると報告され、現在では手術時の標準治療に取り入れられつつある。
「厚労省の難病に指定されている潰瘍性大腸炎の治療は、メサラジン製剤の内服が基本で、難治性の場合は生物学的製剤による治療が行われています。しかし、副作用のリスクや徐々に効果が低下することもあります。当院では、オプションとして生薬の『青黛』を短期間併用するケースがあります」