漢方や鍼灸は西洋医学に比べ保険適用が難しいのはなぜなのか
【A】私は中国の中医薬大学と大学院を卒業し、中医師(中国の伝統医学医師免許、国家資格)として病院で勤務した後、日本大学医学部へ留学し医学博士号を取得。その後、日本の漢方薬や鍼灸(しんきゅう)の医療現場を長年にわたって見続けてきました。そのような経験からこの質問にお答えしたいと思います。
現在日本において、漢方薬では漢方エキス製剤148処方(医療用漢方製剤)、鍼灸では神経痛・リウマチ・五十肩などの6種類の疾患に限り保険が適用されており、医師による処方箋または診断書があれば、3割の自己負担で治療を受けられるようになっています。
ところが実は保険適用されていない一般用漢方処方の数は、上記の保険適用の漢方処方の倍近くにも及んでいるのです。鍼灸においても、臨床では高い効果が認められているにもかかわらず、保険適用外となっている疾患が多数あります。