「介護する家族に報酬を」という考え方…高齢化に悩むアメリカの問題解決になるか?
高齢の親の介護をどうするべきか、日本と同じように急激に高齢化するアメリカでも切実な問題です。そこで浮上してきたのは、介護する家族にも報酬を与えようという考え方です。
アメリカ人の介護への考え方はわりとはっきりしています。子供が無理して親の介護をするよりも、老人ホームなどでプロの手を借りた方がいい、というのは親子で共通しています。
しかし問題は、経済的にそれができない場合です。アメリカには公的な老人医療保険(メディケア)はありますが、日本のような介護保険制度はありません。介護施設はある程度の富裕層向けと、低所得者向けのものに限られ、中間層が入るのは困難です。
また在宅ケアの場合、日本のように手ごろな値段でヘルパーさんを頼むのは難しく、そうなるとやはり家族が中心となって介護せざるを得ないことになります。
50歳以上のアメリカ人の54%が、65歳以上の家族の世話をしています。この労働を金額に換算すると6000億ドルというものすごい数字になります。