「介護する家族に報酬を」という考え方…高齢化に悩むアメリカの問題解決になるか?
しかし94%の介護者は、何の報酬も受け取っていません。場合によっては自分の仕事や生活を犠牲にして、親の介護をしなければならない。これを変えようという動きが少しずつ始まっています。
例えば、介護が必要な親が低所得者の場合、低所得者向け保険(メディケイド)が適応されれば、家族の1人を「介護者」として指定できます。介護者はその労働の対価を受け取ることができます。制度の内容や金額は州によって異なりますが、現在アメリカ50州全てで実施されています。
また高齢者保険(メディケア)にも改革の動きがあります。特に認知症を患う高齢者ケアと、介護者への教育と支援、一時的な介護代行などを統合するプログラムが計画されています。
こうした動きはまだまだ限定的なものですが、少しでも介護者の負担を減らすための方策を、多くのアメリカ人は待ち望んでいます。