著者のコラム一覧
田中里佳順天堂医院足の疾患センター長

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

糖尿病患者はどんな靴を履くのがいいのでしょうか?

公開日: 更新日:

糖尿病性足病変」の患者さんは、神経障害や血流障害、免疫力の低下から足が壊疽(えそ)しやすい状態にあるので、とにかく「フットケア」が大事だと前回お話ししました。2000年に欧州糖尿病学会の公式ジャーナルで発表された論文には、チーム医療によるフットケアで下肢切断を約75%低下させると報告されています。ただ、足の健康を守るには医療従事者だけでなく、日頃からの患者さんご自身による努力が必要不可欠です。

 ここからは、実際に外来で指導しているフットケアの方法を紹介します。

 一般的な人であれば、靴擦れすると痛みから歩くのをやめますが、神経障害があると痛みを感じないので、そのまま歩き続けてしまいます。ちょっとした傷から感染が広がって足の切断に至る方が少なくありません。ですから、糖尿病の方にとっての靴選びや正しい履き方が重要なのです。

 靴は基本的に、靴ひもやマジックテープで足の位置を固定できるようなタイプを選び、長時間歩く際はスニーカーが望ましいといえます。かかとが丈夫でフィットしているか、つま先が靴の先端に接触せず1センチ程度のゆとりがあるか確認しましょう。その際に靴底が薄すぎたり硬すぎず、足の指が曲がる位置で靴底も一緒に曲がるかどうかが大切です。軽量の靴は強度が弱く衝撃を受けやすいので避けてください。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「転職者は急増」なのに「人材派遣会社は倒産」が増えているワケ

  2. 2

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  3. 3

    驚きの品揃え! ダイソーでほぼすべて揃う「防災グッズ」の実力は?

  4. 4

    優勝の祝儀で5000万円も タニマチに頼る“ごっつぁん体質”

  5. 5

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  1. 6

    長嶋一茂はこんなにも身だしなみを意識している? VIOはもちろんアンチエイジングも

  2. 7

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  3. 8

    大関・大の里3度目優勝で期待される「大豊」時代の幕開け…八角理事長も横綱昇進に期待隠さず

  4. 9

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 10

    国民民主党はやっぱり与党補完勢力だった! 企業・団体献金「存続」で自民党に塩を送る罪深さ