著者のコラム一覧
田中里佳順天堂医院足の疾患センター長

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

最近、足の感覚が鈍いのですが糖尿病の合併症でしょうか?

公開日: 更新日:

 世界では30秒に1本のペースで足が切断されているのをご存じでしょうか。その多くは「糖尿病性足病変」によるものです。現在、日本には2000万人の糖尿病患者がいるとされ、そのうち10%の人に足病変が生じるといわれています。

 これは足に生じるトラブルの総称で、進行すると足の潰瘍・壊疽が起こり最悪のケースでは足の切断に至ります。

 足潰瘍の主な原因は3つあり、1つは動脈硬化です。糖尿病で高血糖の状態が続くと動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)が起こり、血管が細くなって血の巡りが悪くなる虚血が生じると、足に十分な酸素や栄養が行き渡らず腐っていきます。

 2つ目は免疫力の低下が挙げられます。高血糖自体が免疫を担う白血球の働きを悪くさせるので、病原体と戦えず細菌に感染しやすくなるのです。

 3つ目は、糖尿病による神経障害で知覚が低下すると足にケガをしても痛みを感じられず、そのまま放置しているうちに壊疽に至ってしまう。実際、当院を受診される糖尿病性足病変の患者さんは、爪白癬や足白癬、巻き爪、むくみ、外反母趾やそれに伴うタコなど、目で見て分かる足の異常から、足の異変に気付く方がほとんどです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手