いまハイパーサーミア療法が注目される理由…臨床試験によるエビデンス

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 1963年には全国でわずか153人だった100歳以上の高齢者の数は、2023年には9万2139人となった。その原動力のひとつががん治療技術の進展だ。なかでも注目されているのが「ハイパーサーミア療法」だ。どんな治療法なのか? 9月に23年ぶりの東京開催となる日本ハイパーサーミア学会第41回大会の大会長で江戸川病院放射線科部長の黒崎弘正医師に聞いた。

「ハイパーサーミア療法は、がんの塊が42.5度以上の熱に弱いという性質を利用して体外からがん細胞が潜む部位にラジオに使われる周波数帯の電波を流してがんの塊を加温して死滅させる治療法です」

 そもそも熱はがんに対して有効ではないか、との考え方は紀元前に活躍した医学の父ヒポクラテスの時代からあった。ドイツの医師ブッシュは1866年に丹毒が高熱により消失したと報告。米国では1900年ごろに、高熱を出すよう細菌を注射することでがん治療を行ったとの報告があった。

 1960年代に入り、有効な加温法が開発され、がんに対する温熱の基礎研究が本格的にスタート。

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