いまハイパーサーミア療法が注目される理由…臨床試験によるエビデンス
日本では1975年に京大教授が当時の文部省がん特別研究でハイパーサーミアを取り上げ、研究班を組織。1983年に治療器の開発に成功し、翌年に日本最初のハイパーサーミア治療器として厚生省の認可を得た。
その後、さまざまな加熱治療器が開発され、臨床で使われるようになったという。
「1980年代後半から1990年代前半にハイパーサーミア療法は盛んに行われました。公的保険の対象となったこともあり、がんの標準療法のひとつになるとの期待も高まったのです。しかし、治療に時間と人手がかかること、治療器の高精度化が進まなかったことなどから徐々に下火になってしまった。しかし、その後もさまざまな医療機関から著効例の症例報告や臨床試験でエビデンスが蓄積されたこと、さらにはがん治療に関する各診療科の先生方の協力もあり、ハイパーサーミア診療ガイドラインが昨年3月に発売されたことなどから、ハイパーサーミア療法が世間に認知され、がんの標準治療のひとつとして確立する機運が盛り上がっているのです」 (つづく)