小児性愛症は治療が必要(4)衝動になる要因を分析して自制法を身に付ける

公開日: 更新日:

「認知行動療法では心理士と一緒に、加害の衝動になる要因や行動パターンを細かく分析し、児童ポルノの閲覧が欲求を助長させるのであれば見ないようにしたり、ターゲットを見つけに行かないよう下校時間には外出しないなど、自分なりの対処法を見つけ、犯罪行為に歯止めをかけられるようトレーニングを行います。一般的な治療期間は3~5年で、保険診療の対象ではありません。多くの人は1カ月に1回、治療を受け、それ以外の時間は認知行動療法で身に付けた自制法を実践して報告する『ホームワーク』も課しながら、再発予防に取り組んでいます」

 補助的な治療として、男性ホルモンを抑制し性欲を抑える「薬物(ホルモン)療法」を併用するケースもあるが、あくまでも再犯のリスクが高い場合に用いられる。最終的には薬がなくても認知行動療法だけで性的欲求をコントロールできるようになるのが、治療のゴールだ。ただ、小児性愛症には完治という言葉はなく、あくまでも「寛解」だ。

 自分の性的嗜好を不安に思っている人は、犯罪を起こして人生を棒に振る前に治療プログラムを受け、欲求をコントロールする自分なりの自制法を身に付けるべきだ。(おわり)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です