小児性愛症は治療が必要(4)衝動になる要因を分析して自制法を身に付ける
「認知行動療法では心理士と一緒に、加害の衝動になる要因や行動パターンを細かく分析し、児童ポルノの閲覧が欲求を助長させるのであれば見ないようにしたり、ターゲットを見つけに行かないよう下校時間には外出しないなど、自分なりの対処法を見つけ、犯罪行為に歯止めをかけられるようトレーニングを行います。一般的な治療期間は3~5年で、保険診療の対象ではありません。多くの人は1カ月に1回、治療を受け、それ以外の時間は認知行動療法で身に付けた自制法を実践して報告する『ホームワーク』も課しながら、再発予防に取り組んでいます」
補助的な治療として、男性ホルモンを抑制し性欲を抑える「薬物(ホルモン)療法」を併用するケースもあるが、あくまでも再犯のリスクが高い場合に用いられる。最終的には薬がなくても認知行動療法だけで性的欲求をコントロールできるようになるのが、治療のゴールだ。ただ、小児性愛症には完治という言葉はなく、あくまでも「寛解」だ。
自分の性的嗜好を不安に思っている人は、犯罪を起こして人生を棒に振る前に治療プログラムを受け、欲求をコントロールする自分なりの自制法を身に付けるべきだ。(おわり)