小児性愛症は治療が必要(4)衝動になる要因を分析して自制法を身に付ける

公開日: 更新日:

 昨年、故ジャニー喜多川氏による性加害問題の実態が明らかになる中、性犯罪に関する規定が見直され、先月19日には、子供に関わる職に就く際に性犯罪歴を確認する「日本版DBS」を導入するための法律が成立した。一方で、精神科医で性加害者の治療にあたる性障害専門医療センター(SOMEC)代表理事の福井裕輝氏は、「子供の性被害は、加害者を罰則化するだけでは防げない」と警鐘を鳴らす。

「アメリカでは性犯罪者の名前や住所を顔写真付きで公表し、監視する『ミーガン法』がありますが、本人を社会から孤立させるだけでは再犯の抑止につながらないことが、1990年代にすでに分かっています。最近は日本版DBSの導入が審議入りされているものの、子供と触れ合う場は教育現場だけに限りません。それに性加害者の多くは実刑判決を受けるまでに何度も犯罪行為を繰り返しているケースが多く、DBSを導入しても犯罪歴がなければ初犯は防げない。子供と触れ合わない仕事の職業訓練や職場を紹介する社会福祉支援と並行して、加害者に対する治療を行うことが大切なのです」

 性嗜好障害に対する治療は、カウンセリングの一種である「認知行動療法」が基本だ。福井氏によると、小児性愛者の犯行までの行動パターンは似通っている部分が多く、犯行の前日に児童ポルノを見て児童との性的行為を想像し、当日は夕方の下校時間に合わせて周辺をウロウロと物色し、ターゲットを見つけたら公衆トイレなど人目につかない場所に連れ込み、性加害に及ぶという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲