タトゥーがある人は悪性リンパ腫の発症リスクが1.8倍に スウェーデンで患者約3000人に調査
日本では、「タトゥーは歴史的に特定の集団に属する人がするもの」といった認識がありますが、海外ではファッションとして入れる人が増えています。欧米では2割以上の人がタトゥーを入れているという報告もあるほどですから、これはもう一般的な習慣のひつつとなっているのです。若い年代で特にその比率が多いことも世界的な傾向です。
タトゥーは特殊なインクを皮膚に挿入して、皮膚に絵や文字を描く行為です。そのインクは長期間皮膚に留まることになります。タトゥーインクには多環芳香族炭化水素と呼ばれる物質や、金属などが含まれています。そして、その成分には発がん性が指摘されているものが確認されています。皮膚にそうして沈着した発がん物質は、周辺のリンパ腺に移行することも確認されています。
それでは、発がん物質が皮膚やリンパ腺に留まることで、健康上の危険はないのでしょうか?
今年のランセット系の医学誌に、悪性リンパ腫という血液のがんと、タトゥーとの関係を検証した論文が掲載されています。スウェーデンにおいて3000名近い悪性リンパ腫の患者さんを調査したところ、タトゥーを入れてから2年以内に悪性リンパ腫を発症するリスクは、入れていない人の1.81倍高くなっていました。
タトゥーの健康への影響については、今後より深く調査をする必要がありそうです。