感謝心の強い人は心臓病や脳卒中による死亡リスクが15%低い
同じ出来事を体験しても、それをどう感じるかは人によって違います。自動車を運転していて、接触事故を起こしたとしましょう。特にケガもなく軽い事故で済んだ時、「大きな事故にならずに良かった」と肯定的に捉える人もいれば、「大事な車に傷がついた……修理に出さなければいけない」などと、否定的な感情を強く持つ人もいます。
人生においてはもちろん色々なことが起こりますが、その出来事を肯定的に受け止め、その結果を感謝するという気持ちを持つことで、人生を豊かに感じることが出来る、という考え方があります。心と体は常に関係していますから、そうした感謝の心を持つことで、健康にもメリットがある、という推測は可能です。ストレスが多くの病気の誘因となることは知られていて、感謝の心を持つことで、そのストレスを軽減する可能性があるからです。
しかし、それは事実なのでしょうか?
今年の米国医師会関連の医学誌に、高齢の女性看護師を対象とした、疫学研究のデータが発表されています。それによると、感謝の心を強く持っている人は、あまり持っていない人と比較して、総死亡のリスクが9%、心臓病や脳卒中により死亡するリスクが15%、それぞれ有意に低下していました。
人生を肯定的に捉え、感謝の心を持つことが、健康な長生きの秘訣であるのかもしれません。