WHOが緊急事態宣言…重症化リスクの高い「エムポックス」世界流行の兆し

公開日: 更新日:

 エムポックスはウイルスを保有する動物との接触で感染するほか、感染した人の体液、血液、飛沫などでも感染する。感染した人が使った寝具でも感染したとの報告もあり、強い感染力があるとされる。「プライベートケアクリニック東京新宿院」の尾上泰彦院長が言う。

「患者の大多数は男性同性愛者ですが、女性や子供の症例も報告されています」

 この病気に感染すると発熱や発疹が出て顎の下や鼠径部などにリンパ節の腫れが現れる。皮疹が顔や四肢に広がり、皮膚の2次感染、敗血症などを起こすこともある。

「私のクリニックではすでに高齢者を含む複数の患者を経験しており、感染拡大は他人事ではありません。怖いのはこの病気を日本の医師の多くが知らないことです。エムポックスを引き起こすサル痘ウイルスは天然痘の仲間であることから、天然痘の薬が効果があるとされていて、欧州では天然痘のために開発された抗ウイルス薬を承認しています。日本では、日本企業が開発したLC16と呼ばれるワクチンがエムポックスの予防に使用することが許可されています。しかし、この病気の症状を知り、それを疑ってかからなければこの病気を見過ごしてしまい、感染を広めてしまうかもしれません。日本でも早急な対策が必要だと思います」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スタンフォード大・麟太郎のメジャースカウト評価は課題山積…ド軍指揮官からも耳の痛いアドバイス

  2. 2

    大谷が2026年WBCを辞退する可能性…二刀流継続へ「右肘3度目手術」は絶対避けたい深刻事情

  3. 3

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  4. 4

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  5. 5

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  1. 6

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 7

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  3. 8

    大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か