性感染症専門医が語る「サル痘」が日本で急拡大する裏事情…2023年に入り100人突破
サル痘が静かに感染拡大している。国立感染症研究センターが毎週公表している「感染症発生動向調査週報速報データ第15週」(4月10~16日)によると、新たにサル痘が報告されたのは4件、今年の累計数は102件となった。サル痘の日本上陸が初めて確認されたのは昨年7月25日で、それ以降の累計数は109件となっている。
梅毒感染者の今年に入ってからの累計数4086件と比べると少ないが、安心できない。「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)の著者で日本性感染症学会功労会員でもある「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師が言う。
「昨年までは遠い国の珍しい病気という認識の医師が多かったのですが、今年に入り東京や大阪などでの感染報告例が増えてきて医師にとって身近で警戒すべき病気になりつつあります」
実際、今年の都道府県別感染報告数は総数102件のうち82件が東京で報告されており、以下、大阪8件、埼玉3件、千葉・沖縄2件、茨城・神奈川・静岡・香川・高知各1件となっている。