動物の行動や空の変化 大地震予測する宏観異常現象って?

公開日: 更新日:

 今後30年間に70~80%の確率で起こる南海トラフ巨大地震。国が巨額の予算を投じ、さまざまな研究者が「予知」に取り組んできたが、江戸時代から続く民間伝承もあながち捨てたもんじゃない。

 ◇  ◇  ◇

 ナマズが暴れると地震が近い――。

 こうした大地震の前兆として発生する現象は「宏観異常現象」と呼ばれている。中国由来の言葉だが、地鳴りや動物の異常行動、地震雲、近年では電磁波やイオン・ラドン濃度から前兆を察する研究も行われている。いずれも大地震との科学的な根拠は証明されていないが、これを防災手段として大真面目に情報収集しているのが「高知県」だ。

 同県の危機管理部南海トラフ地震対策課の担当者がこう言う。

「2011年の東日本大震災を受け、防災対策のひとつとして13年から県民に宏観異常現象の情報を募集しました。宏観異常現象は科学的な根拠はないとされていますが、研究を始めている機関もありますし、予知が難しい中、前兆を知る材料になる“可能性”はあると思っています」

 高知県では過去3カ月以内に確認された内容を手紙、FAX、電子メールで受け付け。これまでに「いつも見かけない用水路でナマズとコイを確認した」「自宅の泉が枯れた」「ピカッと光る発光現象を目撃した」「ゴゴゴゴゴーという地鳴りのような音が聞こえた」といった情報が寄せられているという。

 そういえば先月上旬、神奈川県三浦半島で「ガス漏れのような臭いがする」などと500件以上の通報があった。この異臭、1995年の「阪神・淡路大震災」(M7・3)の前にも六甲山の東端地域で報告されているのだ。

 また、静岡県駿河湾の春のサクラエビ漁が史上最低の水揚げに終わったが、23年9月1日に相模湾海底で発生した「関東大震災(M7・9)」の際も、〈相模湾でまるっきり魚が取れなくなった〉という文献が残っている。それとは反対に、阪神・淡路大震災の1カ月前には、淡路島・瀬戸内海でアオリイカの水揚げが過去最大というニュースもあった。

 関東大震災の宏観異常現象としては、地震の3~4カ月前から〈茨城・水戸や千葉・銚子で有感地震が急激に増加した〉という記録が残っており、1週間ほど前には〈東神奈川の海岸寄り運河でハゼが異常発生〉〈神奈川県中郡南秦野村の井戸で大地震前に水位減少〉といった報告もある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    近鉄「しまかぜ」(大阪難波~賢島、京都~賢島、近鉄名古屋~賢島)見て、飲んで、食べて、くつろいで…伊勢志摩まで充実の2時間強

  2. 2

    男性シニアの再就職は元公務員でもこんなに難しい 中高年がハマりやすい「リスキリング」の落とし穴

  3. 3

    なぜ女性天皇はダメなのか?旧宮家の養子案そのものが、女性・女系天皇を阻止するために生まれたものだ

  4. 4

    関東で震度5弱の地震…ズドンと衝撃→長い揺れナゼ? 気になる首都直下型地震との関連性を専門家に聞いた

  5. 5

    能力アピールも資格取得もムダ! 元公務員でも難しい「男性シニアの再就職」を突破できるのは「謙虚な人」という“無慈悲な実情”

  1. 6

    これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

  2. 7

    シカとイノシシは殺処分だが…兵庫県多可町が「錯誤捕獲」したクマを放獸のナゼ

  3. 8

    5年に1度の皇室と旧宮家の交流の場「菊栄親睦会」は2014年から開催されず…関係性の変化と養子案の皮肉

  4. 9

    「士業で独立」を夢見る中高年の理想と現実 60歳を過ぎても役に立つ資格とは

  5. 10

    能登、トカラ列島、八戸に続き鳥取・島根で震度5強の揺れ…気になる「次の震源地」はどこだ?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    長尾謙杜は熱愛報道に謝罪も「問題児」扱いで“STARTO社出世レース”からドロップアウト

  2. 2

    トランプ大統領と高市首相がG7夕食会で「口論」し他国首脳が仲裁に? 仏メディアが報道の驚愕

  3. 3

    和久田麻由子アナ成功のカギは、“NHKの鎧”を脱いで個性を出せるかにある

  4. 4

    ホラン千秋は都立国際高校→青学大英米文学科と順調に進学も、女優の夢に破れてキャスターで開花

  5. 5

    佐々木麟太郎をMLBドラフト大改革が直撃…スタンフォード大残留なら契約金大幅減も

  1. 6

    ドジャース大谷翔平"血だらけ中指”の原因はマメじゃない? 日米のメディアの事実誤認

  2. 7

    白石麻衣が通った埼玉県の旧・私立小松原女子高校と、乃木坂46のきっかけを作った専門学校TSM

  3. 8

    白石聖は「豊臣兄弟!」代役から7月連ドラヒロインに大抜擢 “ラッキーガール”にかかる期待とリスク

  4. 9

    いよいよ“詰み”始めた高市首相…中傷動画疑惑めぐる答弁破綻で土俵際、週明け衆参集中審議が見もの

  5. 10

    『トゥモロー・ネバー・ノウズ』新機軸だらけのサウンドをバックに哲学的な歌詞の念仏感