日本熱帯化で高まる食中毒リスク…熊本県は「警報」を制定、30度基準の「注意報」はもう古い

公開日: 更新日:

 熊本県には「食中毒警報」という制度がある。主な発令基準は〈気象庁が公表する気象データ(熊本地方)で、「週間予報において、7日間連続して最高気温が35度以上」を満たす場合〉としている。猛暑日を想定したシステムがつくられているが、熊本県に制定の経緯を聞いた。

「1976年に『食中毒注意報』を設置し、現在も6月の蒸し暑い日や、7月から9月に発令しています。しかし、年々猛暑日が多くなり、より注意喚起が必要になったことで、2019年に『警報』を新たに定めました」(熊本県健康危機管理課)

「食中毒注意報」は他の自治体も採用している。だが、発令条件は、愛知県では「気温30度以上が10時間以上継続することが予想されるとき」など、香川県では「気温30度以上が相当時間継続すると予想されるとき」などだ。基準は30度の真夏日で、最近は「注意報」が出っぱなしになるなど、注意喚起の意味が薄れがち。そもそも「注意報」ができたのは50年近く前で、もはや「熱帯化」の時代にはそぐわない。

 多くの自治体は熊本を見習って、アップデートすべきだ。

  ◇  ◇  ◇
 
 ●関連記事『【もっと読む】「チャーハン症候群」食中毒を起こすセレウス菌は食べ物を室温で放置することで増殖』では、海外のSNSを中心に話題になった食中毒「チャーハン症候群」などを取り上げている。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然