米軍特殊部隊で伝説を作った男が「誰でも自分の限界を押し広げられる」と説く理由
退役海軍特殊部隊員(ネイビーシール)であり、米軍で陸海空の特殊訓練を修了した、たった1人の人物がデイビッド・ゴギンズ氏。全米で500万部を突破し、世界24カ国で翻訳された本の著者でもある彼は「君も限界を押し広げられる」と説きますく。邦訳版『CAN'T HURT ME(キャント・ハート・ミー) 削られない心、前進する精神』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
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敵の力を利用して形勢をひっくり返す、魂を奪う戦術と同じで、鍛えた心を盾にして戦えば、君の考え方が変わる。君がどんな逆境を生き抜いてきたのか、どうやって君の心を鍛えたのかを思い出せば、ネガティブな堂々めぐりから抜け出して、「やめたい」という気の迷いを振り切り、障害を乗り越える力がみなぎってくる。
鍛えた心を盾にして、苦しみながらも戦い続ければ、君も限界を押し広げられる。苦痛を「あたりまえのプロセス」として受け入れ、屈せずあきらめずに自分を追い込み続ければ、「交感神経系」を自分でコントロールして、ホルモンの流れを変えることができるんだ。
交感神経系っていうのは、危険に気づいた時に身の安全を守るための、「戦うか逃げるか(闘争・逃走)」反応を引き起こすシステムだ。このシステムは、いつもある程度の興奮状態にある。そして子ども時代の俺のように、ストレスや苦しみ、迷いにさらされると、システムに体を乗っ取られてしまう。
でも、自分でこのシステムをコントロールできれば、とんでもない力をもらえるんだ。君もこれを感じたことがあるだろう? 朝起きて、走る気にならなくても、20分も走り続ければ力が湧いてくる。それが交感神経系の働きなんだ。自分の心をコントロールする方法さえ知っていれば、いつでもどこでも、思い通りに交感神経系を呼び出せる。それを、俺は発見した。
君が頭の中でネガティブなひとり言をつぶやき続けていたら、交感神経系の働きを活かせない。でも、今の君にたどり着くまでの道のりを思い出し、苦痛をこらえて全力を振り絞れば、「逃走」ではなく「闘争」を選ぶことができる。そうすれば、交感神経反応で放出されるアドレナリンをバネにして、さらに力を出し切れるんだ。
運動だけじゃないよ。職場や学校での逆風だって、鍛えた心で克服できる。そういう状況では、限界を超えて自分を追い込んでも、交感神経反応は起動できないかもしれない。それでも、自分を疑う心を乗り越え、やる気を保つことはできる。
◼️自己不信を真に受けたらダメだ
どんなタスクに取り組む時も、自分の力を疑う気持ちは必ず湧いてくる。夢を追いかける時や、目標を立てる時は、「成功できない理由」が次々と頭に浮かんでくる。人間の脳はそう考えるように進化したんだ。
でも、自己不信を真に受けたらダメだ。惑わされるだけならまだしも、完全に信じてしまったら、間違いなく失敗する。