米軍特殊部隊で伝説を作った男が「誰でも自分の限界を押し広げられる」と説く理由

公開日: 更新日:

 退役海軍特殊部隊員(ネイビーシール)であり、米軍で陸海空の特殊訓練を修了した、たった1人の人物がデイビッド・ゴギンズ氏。全米で500万部を突破し、世界24カ国で翻訳された本の著者でもある彼は「君も限界を押し広げられる」と説きますく。邦訳版『CAN'T HURT ME(キャント・ハート・ミー) 削られない心、前進する精神』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。

  ◇  ◇  ◇

 敵の力を利用して形勢をひっくり返す、魂を奪う戦術と同じで、鍛えた心を盾にして戦えば、君の考え方が変わる。君がどんな逆境を生き抜いてきたのか、どうやって君の心を鍛えたのかを思い出せば、ネガティブな堂々めぐりから抜け出して、「やめたい」という気の迷いを振り切り、障害を乗り越える力がみなぎってくる。

 鍛えた心を盾にして、苦しみながらも戦い続ければ、君も限界を押し広げられる。苦痛を「あたりまえのプロセス」として受け入れ、屈せずあきらめずに自分を追い込み続ければ、「交感神経系」を自分でコントロールして、ホルモンの流れを変えることができるんだ。

 交感神経系っていうのは、危険に気づいた時に身の安全を守るための、「戦うか逃げるか(闘争・逃走)」反応を引き起こすシステムだ。このシステムは、いつもある程度の興奮状態にある。そして子ども時代の俺のように、ストレスや苦しみ、迷いにさらされると、システムに体を乗っ取られてしまう。

 でも、自分でこのシステムをコントロールできれば、とんでもない力をもらえるんだ。君もこれを感じたことがあるだろう? 朝起きて、走る気にならなくても、20分も走り続ければ力が湧いてくる。それが交感神経系の働きなんだ。自分の心をコントロールする方法さえ知っていれば、いつでもどこでも、思い通りに交感神経系を呼び出せる。それを、俺は発見した。

 君が頭の中でネガティブなひとり言をつぶやき続けていたら、交感神経系の働きを活かせない。でも、今の君にたどり着くまでの道のりを思い出し、苦痛をこらえて全力を振り絞れば、「逃走」ではなく「闘争」を選ぶことができる。そうすれば、交感神経反応で放出されるアドレナリンをバネにして、さらに力を出し切れるんだ。

 運動だけじゃないよ。職場や学校での逆風だって、鍛えた心で克服できる。そういう状況では、限界を超えて自分を追い込んでも、交感神経反応は起動できないかもしれない。それでも、自分を疑う心を乗り越え、やる気を保つことはできる。

◼️自己不信を真に受けたらダメだ

 どんなタスクに取り組む時も、自分の力を疑う気持ちは必ず湧いてくる。夢を追いかける時や、目標を立てる時は、「成功できない理由」が次々と頭に浮かんでくる。人間の脳はそう考えるように進化したんだ。

 でも、自己不信を真に受けたらダメだ。惑わされるだけならまだしも、完全に信じてしまったら、間違いなく失敗する。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  2. 2

    立花孝志氏の行為「調査要求」オンライン署名3万6000件に…同氏の次なるターゲットは立憲民主党に

  3. 3

    斎藤元彦知事に公選法違反「買収」疑惑急浮上しSNS大炎上!選挙広報のコンサル会社に「報酬」か

  4. 4

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  5. 5

    吉田皇嗣職大夫 “灘高卒の超秀才”も悠仁さまの受験アドバイザーになりきれず…最近の推薦入試に疎かった?

  1. 6

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末

  2. 7

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  3. 8

    兵庫県知事選で前知事への支持拡大をアシスト…立花孝志候補「当選目指さない」は公選法でアリなのか?

  4. 9

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  5. 10

    メルカリ「返品・すり替え詐欺」横行で異例の声明…悪質ユーザーに騙されないためには?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”