「投資は投信一択」…運用資産1400億円超の投資アドバイザーが初心者に勧める理由
今年から新NISAが始まり、新年早々には日経平均がバブル後最高値を更新するなど、投資はしなきゃと思ってるけど、もし貯蓄が減ったら……と思うと、どうしても最初の一歩が踏み出せないという人は、意外と少なくないでしょう。「そんな臆病な投資こそ、実は手堅い王道ど真ん中の投資」と言うのは『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)の著者で1400億円以上の資産を仲介で預かる日本トップの投資アドバイザー集団を率いる福田猛氏。本書から一部抜粋、再構成してお届けします。
◼️慎重すぎて何が悪い!「怖くない投資」のすすめ
私たちは、たとえ数万円でも失うのは嫌なものです。それは人間にとって自然な感情です。ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のダニエル・カーネマン氏は、この「損をするのは怖い」という心理を「損失回避バイアス」と名付けています。カーネマン氏によると、損失の悲しみは、利益の喜びの2倍以上になるとのこと。
株式投資をしている人が、株価がどんどん下落しているのに損を確定できなくて、結局塩漬けにして何年も放置しているのは、よくある話です。
また、株価が上がっているときは、「損をしたくない」と、早めに利益を確定してしまい、「もう少し待っておけばよかった」と後悔したりします。株式投資を始める前は、「下がり始めたらすぐに売ればいい」「天井まで持っておこう」と思っていても、実際に目の前で株価が上がったり下がったりしていると、冷静ではいられません。
人がわずかでも損をすることに恐れを抱くのは、自然な心理なのです。それでは、その怖さをどう克服すればいいのでしょうか?
実は、怖さを無理に克服する必要はありません。
投資のベテランでも、株価が下がると心はざわつきます。損失額が小さいうちは、まだ冷静でいられますが、大きくなるとパニックを起こすものです。業界のプロの知り合いや投資歴の長いお客様などもたくさん見てきましたが、この恐怖心に勝てる人はまずいません。ですから皆さんも無理することはありません。「慎重すぎる人」のままで良いのです。
株価が大きく上がったり下がったりすることが怖いのなら、怖くない投資を選べばいいだけです。
毎日値動きをチェックしないといけない投資ではなく、数カ月放置していても「気がつかない間に増えていた」という投資なら、恐れとは無縁でいられます。さらに言えば、持っている商品の価格が下がったときこそ「おいしい時期」で、将来資産が大きく増えるパワーを蓄えられる投資もあるのです。
世の中がパニックになっているときほど、チャンスを増やせる。そんな不思議な投資が、私がすすめる「投資信託」による積み立て投資です。