晴海フラッグでは逮捕者も…マンション内覧の“鍵問題”が業者の怠慢とはいえない複雑事情

公開日: 更新日:

 一方で、キーボックスの安易な設置には深刻なリスクも伴う。先月には内覧用のキーボックスを悪用し、空き部屋に現金を送らせる特殊詐欺事件が都内で発生。犯人と、もみ合いになった配達員が大けがを負うという事態に発展した。

 この課題に対し、業界ではいくつかの対応策が模索されている。一つは物件近くの不動産店舗で相互に鍵を預かり合う従来からの態勢だ。ただし、晴海フラッグのように、周辺に不動産店が少ないエリアだと、この方法での対応は難しい。

 もう一つの解決策として、スマートロックと呼ばれる電子キーシステムの導入が挙げられる。

 スマートロック製造のライナフ(東京)の滝沢潔社長は「最新の鍵では仲介担当者のスマホアプリに解錠機能を付与できるので、物理的な鍵の受け渡しは必要ありません。暗証番号を知らせる方式でもネット上ですぐに変更できるため、悪用できません。鍵の紛失といったリスクも発生しません」と説明する。

 入居時の鍵交換費用も不要になるメリットがあるが、導入費用の負担が重く、賃貸住宅では普及が進んでいない。だが、今回の事態を受けても「新規導入の問い合わせは、まったく増えていません」(前出の滝沢社長)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…