「晴海フラッグ」分譲完了でタワマンバブル狂騒の舞台は中古購入へ
「腹立つ、ほんと。年寄りが下町の一等地で庭いじりなんかして。あの土地にマンション建てりゃ、うちらくらいの世代が30世帯は住めるのに」
マンション探し中の37歳の男性は、通勤途中にある古びた平屋を見ると、舌打ちしてしまうという。そして「早くバブルが崩壊しろ」とため息をつくのが最近の日課になりつつある。
東京五輪選手村を改修、新たに2棟のタワマンを加えた大規模マンション群「晴海フラッグ」が、10月21日にあった抽選会で全物件の新規分譲を終えた。2019年から始まった4145戸(賃貸棟を含め総5632戸)の大売り出しは、コロナ禍での五輪延期を経て、5年にわたる異常な争奪戦となった。
最終販売のタワマン2棟は最高が436倍で、過去に外れた人には2票の抽選権が与えられたものの、なお厳しい倍率となった。
投資家の大量購入も話題になった。福岡に本社を置く投資会社は38戸を爆買い。大半を賃貸して家賃収益を得る戦略をサイトで披露している。こうした投資マネーで実需層の購入機会は大きく制限された。