米紙報道「停戦に関心」に透けるプーチンの狙いと焦り ロシア兵は“戦線離脱ワイロ”が横行
本気なのか、単なる揺さぶりなのか。ロシア軍によるウクライナ侵攻が続く中、米紙ニューヨーク・タイムズが23日、プーチン大統領が停戦に向けた協議に関心を抱いていると報道。注目を集めている。
報道によれば、プーチンは少なくとも今年9月以降、仲介者を通じて停戦へのシグナルを発してきたという。その条件はロシア軍によるウクライナ東・南4州の占領維持というから、ハチャメチャだ。
プーチンは14日の大規模記者会見で、ウクライナにおける「特別軍事作戦」の目標について変わっていないと表明したばかり。ウクライナの「非武装化」「非ナチ化」「中立化」を達成するまで侵攻を続けるのであれば、ウクライナ東・南4州を掌握しても目標には程遠い。一体、プーチンの狙いは何なのか。筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)がこう言う。
「ウクライナに対する『揺さぶり』と見ていいでしょう。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアに占領されているクリミア半島の奪還を含め、徹底して戦うと主張してきました。当然、プーチン大統領もウクライナがロシア軍の占領地域を諦めて停戦に応じるとは考えていないはずです。一方、ウクライナ政権内は、欧米の支援が縮小しつつある中で『徹底抗戦か、妥協か』で分裂含み。プーチン大統領は、アメリカという強力な後ろ盾を失いつつあるゼレンスキー大統領の足元を見て条件付きの停戦を持ちかけているのではないか」