決め手は「精神」 ヤンキースがダルより田中を評価した理由
ワールドシリーズを制すること27回。メジャーで最も世界一に近いといわれるヤンキースは、選手を獲得する際の基準もシビアだ。
球団独自のシステムによって数値化される能力はもちろん、その個性や人間性、性格などのメンタリティーも重要な要素を占めるという。
■GM補佐の調査
とにかく重要なのはチームの勝利。投手も野手もチームの窮地を救ったり、勝利優先のプレーをしたりしながら、なおかつ数字を残すことが求められる。個人成績が優れているだけでは、決して評価されない。
「ヤンキースが田中将大(25)の獲得に本腰を入れたのは、日本人選手では松井秀喜以来です」とニューヨークメディアのひとりがこう続ける。
「田中は日本シリーズで160球投げた翌日、リリーフ登板した。チームの勝利、日本一のためならコンディションは二の次で投げる。ヤンキースが最も評価したのは、田中の精神面ですよ。勝利のために、ときには自分を捨てて泥まみれになれるか、そういう気持ちを持った選手か、キャッシュマンGMが懐刀のビリー・エプラーGM補佐を日本に2度も送り込んで調査させたのも、田中の精神面を詳しく調べるためでした。松井も個人記録よりチームの勝利優先でプレーするタイプだった。ヤンキースは泥くさいというか、勝利のために額に汗する選手を集める。それが好結果につながっているのです」