伝説の完全試合投手が伝授 「マー君がヤ軍で成功する秘訣」
酒と女をこよなく愛し、いざ試合が始まれば絶妙のコントロールで相手を翻弄する。そんな伝説の元メジャー投手が今、ヤンキースの臨時投手コーチを務めている。デービッド・ウェルズ(50)のことだ。
07年に引退するまでの計22年間で、メジャー通算239勝。98年のヤンキース時代には、二日酔いで完全試合を達成するなど、その破天荒かつ不摂生な生活ぶりはメジャーでも特異な存在だった。
ウェルズは日本からやってきた160億円右腕をどう見ているのか。練習後に聞いてみると、現役時代と変わらぬ大声でこう話し始めた。
「タナカか? すでに何度か投球を間近で見たんだが、ここまでは順調だな。変化球も多彩で、一つ一つにキレがある。このままシーズン開幕まで、いい調整をして欲しいな」
ヤンキースの首脳陣はキャンプイン以来、中4日の先発ローテーションに備え、田中の肉体、特に肩、ヒジを徹底してガードしている。日本で当たり前だった投げ込みは禁止、実戦さながらの打撃投手ですら球数を30球程度に制限される。ほぼ一日中、野球漬けのプロ野球とは対照的に、全体練習も午前中のわずか1時間という日がほとんどだ。例年に比べて、田中の練習量は明らかに落ちている。田中本人は「今は言われた通りにやるしかない」と割り切っているものの、ウェルズはこの点をどう考えるか。