オールジャパンHCが語る「15年ラグビーW杯8強プラン」
――体格差をカバーするにはどうすればいいのですか?
「体の力を最大限に引き出すためには、力を効果的に使うことが重要です。3年前にHCに就任した時は選手たちは(アイドルグループの)SMAPのようでしたが、今はラグビー選手のように見違える体つきになりました。そのためには、もちろんハードなトレーニングを課しました。代表合宿時には『ヘッドスタート』と呼んでいますが、早朝にウエートを行い、その後は午前、午後と2回の練習をしています。ハードトレといっても効率的な練習をしており、グラウンドでは1時間程度と短時間ではありますが、一つ一つのプレーの強度は高くなっています。同時に1週間に1度は試合よりもフィジカルの激しい練習を取り入れています。これまでの日本の練習では何か問題があったら、じっくりとディスカッションしていました。今はそれを認めていません。『何かあったら、ミーティングでやって下さい』と選手には伝えています」
――技術的にはどこを重点的に強化したのですか?
「我々が目指すアタッキングラグビーをする上でスクラムとラインアウトの強化は避けて通ることができません。スクラムに関してはフランス人のマルク・ダルマゾ・コーチ(元仏代表フッカー)が指導しますが、とてもクレージーです(笑い)。例えばスクラムを組んでいる上に体重100キロの選手を乗せる練習などをしています。これは8人が一緒になって押し込んだり、耐えるにはもってこいの練習だと思います。スクラムの際、足の置き方などにも工夫が施されていて、わかりやすく言えば、両足をできるだけ広げれば相手よりも低く組むことができます。ミーティングなどではジャージーのどこをつかめば効率的に力が加わるかなど、細かいことまで確認しています。スクラムはルールが変わって日本人には有利になったと思います」