日本女子卓球が見据える「石川の次」と東京五輪「打倒中国」
卓球の全日本選手権最終日、石川佳純(21=世界ランク4位)はシングルス戦も制し、ダブルス、混合ダブルスと合わせて3冠を達成。女子の3冠は54大会ぶり2人目だが、20年の東京五輪で金メダルを狙う協会の目は早くも「石川の次」に向けられている。
日本オリンピック委員会は東京五輪の目標を「金メダル数で世界3位」と決めた。そのためには30個前後の金が必要とみられ、女子の卓球も有力競技として挙げられている。ただし、ロンドン五輪の団体銀に貢献した福原(同11位)と平野(16位)は、26歳と29歳。おそらく平野は、年齢的に東京の代表は無理だろう。石川もノビシロという点ではどうか。
仮に石川が東京五輪の代表に選ばれても、卓球王国の中国を倒すには、個人戦でメダルを狙える選手をあと2、3人は育てなければならない。関係者が言う。
「だから協会は、昨年のアジア大会団体決勝の中国戦で、勝ち目がなくても14歳の平野(美宇・同37位)に経験を積ませたのです。この日決勝で負けた森薗(美咲・22=同25位)や準決勝で石川を苦しめた前田(美優・18=同55位)などは、日頃から男子相手に練習している。準々決勝で石川にストレート負けした伊藤(美誠・14=同41位)なども、どんどん海外試合を経験させてタイプや体格の異なる選手と対戦させている。平野と伊藤は昨年、ワールドツアーのダブルスで、ドイツとスペイン・オープンに2週連続で優勝。有望な選手の刺激になった。世界ランクトップ3の中国勢(丁寧、劉詩ウェン・李暁霞)の力は、中国国内でも抜けている。彼女たちは東京五輪でも代表になれば30~32歳。3人とも30歳以上なら団体か個人のどちらかは勝ちたい。身長の低い日本選手は筋力を強化するとともに、速さで中国の攻撃を封じたいですね」
ちなみに中国は、すでに日本のジュニアもマークしているそうだ。